個人のための地震前兆観測のススメ
災害から身を守るために出来る事〜誰でも出来る前兆観測
noraまとめ


はじめに

 日本は世界有数の地震火山国です。日本という国そのものが環太平洋火山帯の上、プレート境界上にあり、有史以前から激しい活動を繰り返してきた事は学校でも習ったと思います。この国に住む限り、地震災害を避けて通る事は出来ません。
では、国は地震を事前に察知し、国民に警告してくれるでしょうか?答えはノーです。地震学者は東海地震だけは予知出来る長年言ってきましたが、実際のところ、それも確実とは言えず、怪しい物です。「分かりやすい前兆現象があった場合には予知が出来るかもしれない」程度と思っていた方がよいでしょう。
何故分からないのか?それは地震予知の分野がまだ五〜六十年程度の歴史しかなく、技術的にも経験的にも極めて未熟だからです。今、原発で問題になっている活断層一つとっても、見えている断層ですら研究者によって意見が違うように、解明されていない事や、技術的に解明出来ない事が多すぎるからです。
個人や大学でも、将来かなり有望と思える最先端の研究は行われていますが、それらが科学的に確立し、TVで事前警報が出されるようになるのはどんなに早くても数十年先の事でしょう。
その時が来るまでは、個人が自分の身を守ろうと思うなら、自分で情報を集め、判断し、備えるしかありません。幸いネットには様々な情報があるし、個人で前兆が観測できる方法もいくつもあります。一つ一つは完全ではなくても複数の情報からある程度危険を察知する事が出来る可能性かあるなら、確実ではなくても情報ゼロよりはマシだと思いませんか?
地震は怖いけれど、事前に分かって備える事が出来るなら何かをしてみたい。でも具体的に何をすればいいのか分からない。そういう人に、お金と時間がかからずに前兆がキャッチ出来るかもしれない方法を書いてゆきます。興味があったらとにかくやって見る!一歩踏み出せば防災意識も変わります。

ここで勘違いしてはいけない事は、「私たちは学者ではない」という事です。別に論文を書くわけでも予知情報を出すわけでもありません。地震予知の三要素を満たす必要もなければ、科学的に説明しなければいけない義務もありません。
ただ、危険(かもしれない現象)を察知し、備えや身を守るために利用出来ればいいだけです。科学的な研究は大学か、個人研究者に任せましょう。ここで目指すのはあくまで民間療法、「地域のお天気おじさん」的な物だと思ってもらえばいいかもしれません。観測方法は基本的には「見るだけ」または出来るだけ手間のかからない方法を取り上げ、家にある物や、100均で材料を買って自分で作れるような物を取り上げます。




一、磁石の落下観察

 安政江戸地震の前に、店に置いてあった磁石(磁気を帯びた天然石)に付いていた釘が落ちたという記録があり、その原理を利用して佐久間象山が地震予知機なる物を作っていますが、それと同じ原理、何かにくっついている磁石が、磁力を失って落下するかどうかの観察をします。
方法は、多分どこの家の冷蔵庫にも貼ってある、シート状の磁石が落ちているかどうかを見るだけでOKです。
凝り性な人は、他にも、壁に画鋲を刺し、そこにエレキバンの磁石を付け、ゼムクリップをぶら下げて落ちるかどうかを見るなど、磁力が低下した事が分かる方法なら何でもOKです。わざと落ちやすいようにセロテープを貼るなどして磁力を弱め、ギリギリくっつくような、落ちやすい状態に(感度を敏感に)調整して観測している人もいます。
落ちたら目安として震度3以上に備えましょう。地震が起きなければ日頃の行いが良かったと思いましょう。




二、電子機器の誤動作

 デジタル時代になって増えたのが、TVがリモコン操作もしないのにチャンネルや音量が変わった、録画が勝手に始まったり止まったり、冷蔵庫や電話のディスプレイが何も無いのに光る、など、機器の故障?と思うような現象です。
もちろん本当の故障の可能性はまず疑うべきですが、地震前兆の場合は発生直前〜発生後に何事も無かったかのように直る事が多いようです。自分の観測経験では自宅の冷蔵庫の操作パネルがピピピ・・と言いながら設定が勝手に変わったりした後で、大きな地震が発生した事が何度かあります。(岩手宮城内陸地震、三陸沖M6.8 他)
長いと数カ月前から断続的に現象が発生しますが、期間が長いほど規模が大きくなる傾向があるかもしれません。
誤動作があったらしばらくの間(3カ月程度)は大き目発生に備えましょう。地震が起きなければ日頃の行いが良かったと思いましょう。




三、ラジオノイズ

 これは普段クリアに入る地元のラジオ放送にノイズが入るかどうかを耳でチェックし、ノイズが入った場合、1〜2週間以内に県内〜近県で発生があるかどうかを記録します。隣県のラジオ局でも普段よく聞こえる局ならチェックが出来ます。阪神淡路大震災の前に聞こえないくらいノイズが酷かったという報告があるので、同様の状態になったら注意が必要です。使用するラジオは出来ればデジタルチューニングのラジオ、カーラジオがお勧めです。規模は推測しにくい傾向がありますが、ノイズの強さや継続期間が強く長くなれば規模も大きくなるかもしれません。
FMラジオに強いノイズがあったら念のため発生に備えましょう。地震が起きなければ日頃の行いが(以下略)




四、FMラジオの遠地受信

 普段全く入らない局に周波数を合わせて聴いてみて、聞こえるかどうかを耳チェックする方法です。もし聞こえたとすれば異常伝搬と呼ばれる現象が発生している事になります。ただし、夏場の天気のよい日などは「ダクト」や「Eスポ」と呼ばれる現象のせいで遠方のラジオが入りやすくなる場合があるので、気象状態も頭に入れた上で異常かどうかをチェックしましょう。近県の場合は局周辺、もっと遠地の場合は放送局周辺と放送局から受信者を結ぶ線上がチェックエリアとなります。地域によって差もあるので、自分の観測地でどのエリアがチェック出来るのか記録を取って検証しましょう。
もし、普段全く聞こえない近県の放送が入ったら注意しましょう。地震が起きなければ日頃の(以下略)




五、コンパス(方位磁石)

 100円均一のコンパス(方位磁石)でいいので、Nに赤針を合わせ、他の磁気の影響がなるべく少ない場所に両面テープ等で固定します。後は朝晩とか朝昼晩とか、気がついた時に見るだけ。ガッツリ動いていたら注意です。震源等は分かりません(経験から推測出来る場合もありますが)これも観察をして記録を取り、発生した地震との比較検証を行った方がいいと思います。検知出来るエリアは広くて三百キロ程度だと思います。
短時間に5〜10度以上動いたら注意しましょう。地震が起きなければ(以下略)




六、ユーコン

 500円程度の材料費で、小学校高学年程度の工作力があれば自分で作れて、直下地震を検知出来る可能性があります。詳しくはネットで「Yucon Web」で検索するか、http://moon.ap.teacup.com/yuconweb/ にアクセス。記事カテゴリの「ユーコンについて」に作り方や観測の仕方が書いてあります。液面に浮いている磁石のコマの動きで前兆磁気を探る物です。
駒が止まって動かなくなったら半径50kmでの発生に注意しましょう。地震が起きな(以下略)




七、地震雲

 よくネットでは話題になりますが、これは観察経験の少ない人には難しいかもしれません。派手な形が出たからと言って地震雲とは限らないというのが実情なので、監察する場合は形に加えて性質を見るように心がけましょう。とりあえず見分けやすい例は、周りの雲と明らかに違う密度の高い雲や真っ黒い雲の塊が出た場合、他にはナミナミ(波状)の雲の1本1本が大きく、雲と雲の間隔が広い・・などといった雲が出た場合は写真に残したり雲の方向等をメモするようにしましょう。ツイッター等に投稿してくれれば他の人もその情報を利用できるかもしれません。その場合は必ず「観測地(市〜県名程度でもOK)」「目撃日時」「撮影方向又は雲の方向やラインの方向」を記載しましょう。書いていないと何処で現象が出たのか分からず、せっかくの情報が無駄になってしまいます。
気になる雲が出たら、とりあえず備えましょう。地震が起き(以下略)




八、ネット
 
 これが一番楽かも(笑)誰かが観測し、まとめてネットに上げた情報を見せてもらう方法。これは熟練は必要としませんが、情報に一喜一憂せずに冷静に見る事が出来ない人には向きません。基本は「自分の住む場所に影響のありそうな情報があったら備える」です。情報の発信源の方にもそれぞれ特徴があります。異常は捉えているけれど予測がダメな人、とにかく出しまくる人、等々。個々の特徴や表現の違いなどをよく見て「この人がこの表現を使った時は注意」等、目安を見つけるのもいいかもしれません。
ただ、全てに共通している事があります。それは「何らかの異常があるから情報が出ている」という事。ネット上では短期や長期の異常情報がごちゃまぜに存在しているので目先の当り外れで情報を見るのではなく、何処で異常があったのか?という見方をするのがいいと思います。



最後に

 ここに書いた以外にも様々な観測方法、チェック方法は存在します。興味があったら自分で調べたり勉強してみるてみるもよし、観測者や情報発信者に直接聞くもよし。目的に応じて出来る事はたくさんあります。観測者には多少クセの強い人が多かったりもしますが(笑)おふざけでなければ質問に答えてくれる人は多いでしょう。また、観測者は結構どこかの観測グループに絡んでいたり、裏でネットワークが出来ていたりするので、そういうグループに参加するのもいいかもしれません。予知情報が当ったハズれたではなく、自分や大切な人を守るために、今手に入る情報を活用するというスタンスで臨みましょう。これを読んでくれた人もそうでない人も、災害の犠牲になる事無く平穏な暮らしが続く事を祈ります。




おまけ
 
言い伝えレベルも含めて、過去の記録等から地震前兆の可能性があると思われる現象を列挙してみます。

・数ヶ月前から小さな微震が続く。
・耳鳴りが聞こえる。
・川や湖や海の水位が下がる、濁る、泡が浮き出る。
・魚がたくさん水面に浮かぶ。
・普段と違う潮の流れをする。
・海からたくさんのカニが這い上がる。
・深海魚が多く浮かび上がる。
・海面が光る。
・イルカやクジラが大量に浜などに打ち上げられる。
・井戸の水が減る、涸れる、濁る。
・温泉の出が悪くなる、濁る。
・温泉の温度が変わる。
・温泉の質が変化する。
・地鳴りが聞こえる。
・地割れが発生する。
・田畑の水持ちや水はけが悪くなる。
・長い帯状の雲(いわゆる地震雲)が現れる。
・竜巻のような巻き雲が現れる。
・普段見かけない珍しい雲が現れる。
・太陽に輪が出来る、太陽に傘がかかる。
・太陽柱が現れる。
・月が赤など普段と違う色に見える。
・月に輪が出来る、月に傘がかかる。
・大気中のイオン濃度が極端に増える。
・空が黄色や赤くなる。
・電離層の高さが下がるなど電離層の乱れが生じる。
・夜間に空の発光現象などが起こる。
・大きな音が聞こえガラスなどが揺さぶられる。
・地鳴りが聞こえる。
・非常に蒸し暑く感じる。
・普段は見かけない鼠などが多く移動する。
・多くの犬が数日前から遠吠えをする。
・冬眠中のヘビやカメやネズミなどの動物が起きて動き出す。
・普段は多くいるカラスなどを見かけなくなる。
・夜間に鳥が鳴いたり騒ぐ。
・鶏の産卵量が減少する。
・鳥が大きな群れを作る。
・細い水路などにたくさんの魚が集まる。
・魚に落ち着きが無く騒ぎ出す。
・池の魚が同じ方向を向いている。
・飼育している魚が水槽から飛び出す。
・魚が全く釣れなくなる。または大量に魚が取れる。
・季節はずれの昆虫を見かける。
・飼育しているカイコが一列に並ぶ。
・時期はずれの植物に花が咲く。
・植物の生体電位に異常な値が現れる。
・テレビやラジオにノイズが入る。
・録画した動画にノイズなどが入る。
・リモコンが正常に作動しなくなる。
・携帯電話・PHSに雑音が入る。
・電話の音声が聞き取り辛くなる。
・携帯電話や無線LANのデータ転送に遅延が発生する。
・冷蔵庫に貼った磁石が落ちる

他にも色々な現象があるのでネット等で探して見るといいでしょう。
1つでは無く、いくつもの現象が重なる、次々に発生する、広範囲に一斉に報告が上がるような時は特に注意です。



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